

ATLANTISは、東京の小さな編集部で創る紙の出版物です。毎号伝えたいメッセージを一つ決めて「特集」としています(創刊特集は「境界」)。特集はチャプターに分かれており、その一つひとつにテーマがあります(Chapter 1「国境とは何か」、Chapter 2「目に見えない境界」など)。チャプターごとに完結しているので、どこから開いて読んでも構いません。例えば、数年後にChapter 3に書かれたものを知る、ということがあってもいいのです。
それぞれのコンテンツで、歴史を探究し、現在の世界を歩き、未来に残したいものを伝えていきます。ATLANTISは、特定のものや人を非難・中傷するものではありません。ポリティカルな背景やコマーシャリズムによらない、100%インディペンデントな存在です。だからこそ、内容はとてもエモーショナルで主観的なものになっています。
かつて「雑誌」という輝かしい媒体がありました。自由に意見を言い合い、文字を書き起こし、プリントした写真を持ちより、あらゆる葛藤に耐え、試行錯誤の末に責任と覚悟を持って世に問うてきました。それは「雑」な「紙」に魂を編み込むようなもの。ATLANTISはその精神を継承しています。インターネットやSNSが常識である今、紙という媒体がとてもクラシックな方法であることを認めます。これからインターネットはますます発達してリアルとの垣根は消失し、バーチャルに接続している感覚すら失うでしょう。だからこそATLANTISはアナログの境界面に立っていたいのです。ページをめくる、目をとめる、ゆっくり考える、そんなアナログ時間の手触りにこそ、伝えたい「文化」が宿ると信じるからです。すぐさまシェアして消えてしまうものよりも、ゆっくり押されたシャッター、思考の果てに吐き出されるものを待ちたい。長く時間をかけたものは、やはりすばらしいと考えているのです。
紙の雑誌はいずれなくなるでしょう。それでも一人の人間がATLANTISを読み、親から子へ、そして孫に伝わっていくように、小さな糸が紡がれていくと信じています。伝説のアトランティス大陸が未だに人びとの記憶に眠っているように──たとえ雑誌ATLANTISが消え去った後でも、わたしたちが感じた気持ちが確かに伝わり、いつか誰かの想像の中によみがえることを願っています。
この本を開いてくれた人、記憶として伝達される明日へ向けて、ATLANTISを放ちます。世界のどこへでも飛んでゆき、銀河の片隅に宿りますように──。
地平線の向こう側、国境、男と女、あの世とこの世、人種の違い。境界はいつもかたわらに存在するものです。ボーダーレス化が叫ばれるいまこそ、原点に立ち返り、人はなぜ「線」を引くのかを考えてみませんか。
創刊号では「境界」を探究する取材を、ジャンルの壁を越えて実施。あなたの目に映るのは、沖縄や東北などの日本国内に加え、アフリカ、ニューヨーク、パリ、パラオなど世界各地でフィールドワークを行った記録。アーティストに、人類学者に、学生に、主婦に投げかけた「あなたにとって境界とは?」という問い。
1冊丸ごと「境界」の地平を思考した特集から、ATLANTISは発進します。
アトランティス創刊によせて
—この銀河の片隅で
楽園のイヴと誰も知らない国
(写真:山西崇文)
あなたとわたしの境界線
(文:福岡伸一/適菜収/春日武彦ほか)
メキシコとアメリカを隔てる線
(写真:パブロ・ロペス)
国境線の現在
国の境はどう決まる?
国境線を引き直す
【人間編】【地球編】【バラエティ編】
すぐには行けない国
東北異界物語
横尾忠則の「目に観えない世界」
パプリカ
灰色のヴェールの向こうへ
京都結界地図
憎悪の壁と醜い眺め
パレスチナとイスラエルを分け隔てるもの
性の境界
人類が築いた壁
NY:ニューヨークの穴
(写真:小浪次郎)
Paris:パリの中のパリ
(写真:宮本武)
Tokyo:ニシカラヒガシヘ
(写真:森嶋一也)
Okinawa:石川真生と沖縄
松澤宥と宇宙意識
感性を越境させる美術館
南洋群島に越境したアートの欠片
岸田繁「境界で鳴る音」
時間の境界
石川直樹「境界が消える瞬間」
超えちゃってる人物図鑑
現代インドでカーストを越境する
川内有緒「バウルが超えてゆくもの」
日本の見えざる境
金村 修「境界線上の写真」
食べないで生きる
ボーダーは、なくならない?
湿板写真で浮かびあがる
もうひとつのアメリカ
人はなぜ「線」を引くのか?
松岡正剛「アナログとデジタルの境界線」
田中康弘「幻想の境界線」
植本一子「家族の境界線」
磯部涼「川向こうの境界」
竹内薫「宇宙の境界」
黒住光「宮崎駿の境界」
0166-73-6325
019-677-8081
0197-47-4158
019-613-6464
090-9822-7877
048-450-6760
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043-306-6781
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050-5276-8698
070-3107-6169
090-1287-4701
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03-6303-0940
03-3422-1141
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03-5491-8550
03-5228-5490
03-6884-2894
03-3395-4191
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0422-27-6885
0422-26-9707
042-505-9587
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03-6433-0906
090-2437-5696
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0466-31-1510
0466-52-1211
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075-711-5919
075-754-0008
075-741-6501
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06-4799-1800
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090-8795-5416
06-6599-8210
06-7173-9286
072-844-9000
050-3692-1329
0796-20-2062
073-488-4775
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090-1322-5834
087-837-4646
0879-62-0221
089-993-8488
092-711-1180
092-731-7760
092-645-0630
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0943-76-9501
096-288-3007
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097-574-9464
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099-222-0357
099-259-3080
098-896-1060
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2018年7月27日に発売いたしました『ATLANTIS』Issue1について、下記のページに誤りがございました。関係者の皆様および読者の皆様へお詫びするとともに、訂正させていただきます。
p.048-049 地図上の「宗教」について下記のエリアの情報を訂正いたします。インドネシア:(誤)キリスト教→(正)イスラム教/マレーシア:(誤)キリスト教→(正)イスラム教/バングラデシュ:(誤)キリスト教→(正)イスラム教/ブータン:(誤)キリスト教→(正)仏教/インド北部国境付近:(誤)キリスト教→(正)その他/中国・海南省:(誤)キリスト教→(正)その他/台湾:(誤)仏教→(正)その他
p.050-051 地図上の「主食」について下記のエリアの情報を訂正いたします。中国・海南省:(誤)小麦→(正)米/台湾:(誤)小麦→(正)その他
p.118 クレジット表記について訂正いたします。(誤)illustration by REINA YWAMAMOTO text by MITSUKI MARU ATLANTIS)→(正)illustration by REINA YAMAMOTO text by MITSUKI MARU(ATLANTIS)
p.120 文字濃度の違いについて、濃い文字(C70M50Y50K100の掛け合わせ)と、赤字修正の際のミスにより薄い文字(K100)が混在したため濃度差が出ています。かつ、印刷時に版ずれが生じたことで影響が大きくなっています。
p.171 インターメディアテクの写真クレジットについて訂正いたします。(誤)© 空間・展示デザイン © UMUT works→(正)©インターメディアテク/空間・展示デザイン © UMUT works
p.171 DIC川村記念美術館のテキスト部分について訂正いたします。(誤)関東会社→(正)関連会社
p.197 文字潰れについて、印刷時の付け合わせページ(p.204)の黒インキ濃度を上げたことが原因です。